楽観的日和見主義

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C型肝炎訴訟の裏側

C型肝炎、えらい騒がれてたけどなんだか重くてじめっとした話題だったのであえて避けてました。原告の顔も恨みがましくてついチャンネル変えちゃったり。
でも、今回福田首相の「一律救済」がニュースでばんばん映るわけですよ。原告は泣いて喜んでましたが、なんだか違和感…。
そもそも「一律救済」の範囲ってどこまで?いくらなんでもお金ちょっと出しすぎなんじゃないのか?ですが、その違和感の正体はわからないまま、「被害者」にあたる人を否定するのも心証良くないので特に何も言いませんでした。
でも、祖母がテレビ見ながら怒ってるんですよ。「4000万は出しすぎ。国が傾く!そもそも税金なんだから」。確かに、国の出す賠償金は国民の税金です。仮に一人当たり1000万としましょう。薬剤肝炎被害者はおよそ200万人。計算すると20兆円!…確かにこれは莫大な額です。

そもそも、今回問題になっている血液製剤(フィブリノゲン及び第9因子製剤=クリスマシン)とは血液凝固に必要なもので、おもに出産時などに使われます。
以前に出産の時の大量出血の際、輸血が間に合わず妊婦が死亡したことで起こされた民事裁判で、「フィブリノゲン等を投与するなど、適切な止血措置を執らなかった」ことを理由に産婦人科医の過失を問う判決が出た上、当時はまだフィブリノゲンの投与による肝炎の発症などの副作用報告がほとんどなかったために、当時国内では低フィブリノゲン血症しか適応症として承認されていなかったにもかかわらず、臨床の現場では、止血剤として広くフィブリノゲン製剤が使われていました。見直しがされたのは、1987年3月に青森の病院でA型型肝炎の集団感染が確認されてからです。

●大西赤人/小説と評論 今週のコラムより「薬害C型肝炎」
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/colum354.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/colum355.htm

上記のホームページを参照してください。ぜひ読んでください。

簡単にまとめてみましょう。

まず重要なのは、1989年まで、C型肝炎そのものが未発見だったという点。
未発見のウイルスを予防できるわけがありません。当時、A型・B型肝炎の発見はされていましたが、C型肝炎は「非A非B型肝炎」としてしか認知されておらず、原因やウイルスの正体もまったく不明で、検査も不可能だったのです。B型に関しては、BPL処理などできる限りの予防策を講じていました。
にもかかわらず、原告側の主張は「BPL処理が行なわれたとは信じがたい」「されていたとしても、十分ではなかったというもの。確かに、危険性を自覚しながら薬剤の投与を辞めなかったのは責任があると思います。しかし、それ以前の人にまで同等の救済を求めるのは少々お門違いなのでは。
実際、以前裁判が行われた地裁では、時期によって支払いの額を変えたそうですが、それに対しても原告側は「線引きするな」と主張する。これではいたちごっこです。

また、原告側がフィブリノゲン製剤の危険性を訴える大きな根拠の一つに、米国では1977年に既に「肝炎感染の危険性と代替治療の存在などを理由として、フィブリノゲン製剤の承認取消」が出されていたというもの。この事実は、最近の報道などではしばしば“1977年時点で既にFDAは、フィブリノゲン製剤の「肝炎」感染の危険性を把握していた”と位置づけられていますが、ここでの「肝炎」とはあくまでもB型肝炎のことだったというんです。

さて…ちょっと陰の問題として、難病治療用の薬の認可が非常に難しくなるということがあります。薬には副作用がつきものですが、もし薬の承認時にまで遡り責任を認めてしまうと、副作用のある薬は承認できなくなってしまいます。
一律救済をしてしまうと 『今後出てくるかもしれない未知のウイルス感染症に関しても、測定法が見つかった時点で過去の患者全てを救済せよ』となり、日本だけ医療行政が前進しなくなる』ということが挙げられます。
そして、このような前例を一度作ってしまうと、これから先同じような裁判があった時に、国の責任の有無に関わらず補償を求められて大変なことになってしまいます。

原告側の主張は「輸血用血液の確保の方法や血液製剤の製造管理など、血液事業に誤りがあった」「国や製薬企業が安全確保を怠らなければ、人々がC型肝炎に感染することはなかった」というもの。ですが、輸血がなければその場で亡くなってしまった方が大半なのではないでしょうか…?だからどうと言う訳ではありませんが、もう少し冷静になって、お互いに歩み寄る姿勢を持ってもいいような気がします。
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