楽観的日和見主義

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春日「皆さん、天国でお会いしましょう。ばぁい」 1

        tengoku

「大変だったね」とか「これからのこと考えろ」とか、もうお笑いは辞めるのかとか、いろいろ言われたけどなんて答えたのかは覚えてない。
弔辞を読んでいる途中であの発作が起きて、もういいから休めと言われた。
黒いリボンをかけられた春日はいつものテクノカットで、ムカつく笑顔でトゥースしていた。
若林「何が春日は死にませんよだ…バカヤロー」
ひどい雨だった。頭が重い。
若林「食中毒で死ぬなんて…あんまりだろ。逆に笑えるわwえへへへへーwww」
若林「………」
若林「春日…」

暗い夜だった。1人になりたかった。
明日はもう納骨だ。あのパンパンの体が骨になるなんて信じられないよなぁ、春日。
ひどい雨だった。
暗く、海底に沈んだような夜だった。
だからだろうか、スリップして突っ込んでくるトラックに気づかなかったのは。


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\ワカバヤーシ…/
    \ワカバヤーシ…/

若林「う…う~ん」

\ワカバヤー…/
    \オニガワラッ!/

若林「………うるせぇ…豚野郎…」
若林「!?」
ガバッ
春日「トゥース!お目覚めか若林」
若林「春日!?」
春日「現世で別れて以来ですね」
若林「……お前…」
言葉が出なかった。
若林「何…何、死んでんだよ」
春日「その言葉、そっくりそのままお返しするぞ」
若林「なんでだよ!お前が勝手に死ん……あ?」
ふと周りの異変に気付いた。

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眩い、色鮮やかな美しい花畑が向こう側にあって、その手前に大きな川が流れている。川原に、俺は寝ていた。春日がそんな俺を見下ろしながら鼻を鳴らす。
春日「勝手にじゃござぁませんよあなた。なんであんたまでこんな所に来てるのかってことですよ」
若林「………」
必死で、おぼろげな記憶をひねり出す。
目の前にトラックのけたたましい轟音とライトが迫ってきたのは覚えている。
――まさか。
春日「とりあえず、ここはあの世と考えて良さそうだな」
若林「嘘だろ、俺たち死んじゃったのかよ」
春日「そのようですな」
若林「あっさり受け入れてんじゃねーよ」

----------------------

ふと、重大な事実に気付いた。
若林「おい!ここ三途の川だろ」
春日「ウィ」
若林「なんとか生き返れないのか?早くしないとお前焼かれちゃうんだぞ!」
春日「大丈夫だ、春日が時を止めたぞ」
若林「お前スタンド使いだったのかよ、気づかなかったよ」
若林「何ていうスタンドなんだよ言ってみろよ」
春日「………」
若林「アドリブきかねぇなっ!」
若林「でも本当に時が止まってんのかな…?まさか本当に春日が」
神「私だ」
若林「!?も…モンe」
神「それ以上言ってはいけない」

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神「私はお前たちをナイスミドル時代から見ていた。今死ぬにはあまりに惜しい。一度だけ、生きるチャンスをやろう」
春日「ちょっと待て。なぜそんなチャンスを俺たちに?」
若林「……」
神「…暇を持て余した神々の遊び。それだけだ」

ピカッ
ドッシュウウウウウン
若林「!?すげー風…うわっ!うわあああああああああああああ」
春日「皆さん、空を飛ぶ春日はどうですか」
若林「浮いてる!浮いてる!ぎゃあああああ」
春日「うるせぇ男だ」

ワアアア……アァ……
……


-------------------

若林「う~…」
目を開けると、目の前にはファミ通Tシャツを着た白い羽を生やした男が立っていた。
天使「見てみぃこの羽、カッチカチやぞ!」
春日「何だこのブサイクは」
天使「ぐやじいです!」
若林「お前ブサイクは失礼でしょーよ謝りなさいよ」
春日「ごめんね」
若林「謝ったら許してやって欲しいんですけども」
天使「ふん、えーわ。俺たちはお前らの案内するように言われとる」
ゆっ天使「ちっちゃいことは気にするな☆それわかちこわかちこ~」
若林「おっ、わかちこじゃん」
春日「馴染みの顔ぶれだな」
天使「ふん…あの神様も、気まぐれなもんじゃ」

周りを見渡すとさっきとは違い、雲のようなDSiのCMの背景のような、真っ白い空間にいた。

中天使「ここは天国の門だよぉ~、絵に描いて説明するよぉ~」
春日「誰に説明してんだよ!」
若林「俺らにだろ他にいないでしょーよ」
春日「ウィ」
天使「神様の代わりに説明したる。お前らには天国と地獄を回ってもらう。」
春日「鬼瓦っ!」
天使「そこでネタをやってウケたら復活や、地獄と天国で2回ネタをやってもらう」
若林「…M-1みたいだな」
春日「キャ~~~~」
天使「ふ、そういうことやな。神様はよっぽどお前らがお気に入りのようや」
春日「やはり春日は持ってる男だったな」
若林「お前さっきからうるせぇ」
春日「ウィ」

ゆっ天使「それじゃあまずは天国から!」
中天使「天国には偉人がたくさんいるよぉ~」
若林「ゴク…そういや長さんとかやすし師匠とか…偉大な人がたくさんいるな」
春日「はっはっは、偉人たちに春日を披露できるとは光栄でゅな」
若林「噛んでんじゃねーよ」

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天国の門が開く。そして例の、あの音楽。緊張で足元がふらつく。

♪デケデンデンデンデンデンデンデンデーン!

若林「どうもー今日も若林春日で漫才を頑張ってやっていきたいと思いますー」
春日「皆さん、天国の春日はどうですか?」
若林「死んでたまるかって話なんですけども」
春日「ヘッ!」

こんな感じで、俺たちはいつものように漫才を始めた。そういえばこうしてネタをやるのも久しぶりな気がする。
緊張する。M-1の時も緊張したが…それとはまた別の緊張感。
これに一生が、いや、生命そのものがかかっているのだ。
だが、教習所でハンコをもらうような漫才じゃ駄目だ。そうだよな、春日。

いろんな人がいた。懐かしい人がたくさんいた。
目に付いたのは、カンニング中島さんだった。
相方を亡くした竹山さんの姿を、中島さんは見ているのだろうか。
中島さんは、いつまでも優しく微笑んでいた。

若林「どうもっ、ありがとうございました~!」
春日「ばぁい」

久しぶりの漫才は、すっきりハマった。

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ゆっ天使「お疲れ~!キョーレツー☆なネタだったね」
天使「良かったな、とりあえず合格やで」
春日「はっはっは、春日が本気を出せばこのくらい余裕です」
若林「噛んでたじゃねーかw」
とはいえ内心、安堵していた。
中天使「次は地獄だよぉ~」
春日「本物の地獄を見せてやる!」
若林「本当に地獄に行くんだよ!」
ベシッ
中天使「じゃあ僕が案内するよぉ~楽しみだぁねえぇ~」
天使「あとは任すぞー、もう中」
春日「ばぁい」
若林「お世話になりましたー」




天使「……ふぅ」
ゆっ天使「生き返りますかね?彼ら」
天使「天国と地獄の間にある誘惑に耐えきればな…あれには俺もゾックゾクするわ!」
ゆっ天使「誘惑なんか気にするな☆それわかちこわかちこー」

--------------------

中天使「気をつけてくださいねぇ~~、この辺りには危険が潜んでるんですよぉ~~アーっ、あんな所に賽の河原があるよぉ~っ」
若林「さすがに不気味だな…」
春日「本物の地獄はこんなもんじゃないぞ!」
若林「お前行った時ねーだろ」
ヌルッ
若林「ひぇひゃあっ」
春日「どうした?若林」
若林「なんか触った!肩になんか触った!」
中天使「アーっ!危ないよぉ~!」
死神「クックック…若林くぅ~ん…待ってよぉ…」

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死神「フヒヒヒヒヒ…若林くぅん、早くこっちにおいでよぉ」
若林「!?」
春日「あのキモメガネ…サトミツにそっくりだな」
天使「死神は親しい人間に化けて人間を誘惑するんだよぉ~、勉強になったねぇ~、勉強になったよぉ~」
死神「若林くぅぅん、ラジオ復活させよう、こんちつラップやろうよぉ」
若林「サトミツ…」
春日「惑わされるな。そいつは幻だぞ」
若林「わかってる」
死神「若林くぅん、ほら早く…こっちに来れば幸せになれるよぉ」
中天使「ジャック・バウワーの横にいるだけのくせに生意気だね~ぇ~」
春日「ちょw」
悪鬼ーナ「春日さぁん…」
春日「!?あ、アッキーナ?」
悪鬼ーナ「春日さん、大好きなんですぅ、お笑いなんかやめてアキナと楽しく暮らしましょ」
春日「あっ…アッキーナ…俺はふ、ふくよかな熟女が…ちょ、そんな所触ったらいけない」
悪鬼ーナ「ウフフフ…」
中天使「怖いねぇ~、怖いよぉ~」

----------------------

若林「これは幻なんだ…幻…」
死神「若林くぅん、現実に戻ったって、また雛壇で目立たないで終わっちゃうだけだよ?最近ネタができなくて、悩んでたじゃない」
若林「……!それは…」
死神「ねぇ、一発屋とかキャラ芸とか言われ続けてテレビに出るのつらくない?」
若林「………」
死神「わかる奴だけわかる笑いをやろうよ若林くぅん、そして仏壇買って久本さんと幸せになろう」

ブチッ
若林「宗教の話はすんなっつったろーがぁ!!」
春日 ビクッ
死神「そんな…若林くぅん…うっ…びゃあああああああ」
若林「それとアッキーナ!俺は漫才も知らんくせに春日のこと好きとか言う女が大嫌いなんだよ!帰れ!」
悪鬼ーナ「ひどいっ…!うわぁぁぁん!」

フッ…

春日「消えたようだな」
中天使「喝されて退散したんだね~」
春日(まずい…下半身が鬼瓦してしまった)


後半に続く

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