楽観的日和見主義

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十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA

ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ) ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)
貴志 祐介 (1999/12)
角川書店

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今まで多くの貴志作品を読んできたが、その中では一番後味が悪い作品だったように思う。ホラーとしてはいいのかもしれないが、個人的にちょっと凹んだ。人間が壊れていく過程というのはそら寒い。最初に言っておくがこれは、ただの多重人格ものではない。最後まで読まないとわからないので、途中で投げ出すとちょっともったいないと思う。

主人公はエンパスという、人の感情を読み取ることができる能力を持っている女性だ。彼女はその能力ゆえに事件に巻き込まれていくことになるのだ。事件といっても、他の貴志作品のような現実的な恐怖や残虐な殺人事件、というわけでもない。主人公の設定からして、少しオカルトというかSFが入っているので、そういう意味では怖さは少ないかもしれない。グロ表現もないし。
ただ、人間の嫉妬や悪意、というものの恐ろしさをまざまざと感じた。

多重人格少女(千尋)の持っている唯一の本が雨月物語と漢和辞典ということで、それぞれの人格の名前に漢字の隠喩がふんだんに盛り込まれており面白い。雨月物語には磯良(いそら)という名前の怨霊が出てくるのだが、本当にイソラの正体と名前の意味が巧みにリンクして、身の毛がよだつ思いだった。美しさと醜さ。見た目に対する劣等感から、ああなってしまった女性の哀しさと、それゆえの凄まじさを感じた。

バウムテストなど、心理学について結構詳しく載っているので、興味のある人は見ていて面白いと思う。それにしても、この人の作品というのは若くてきれいな女性がオッサンとくっつく展開が多いなと思ったwで、親しい人も容赦なく死んだりするから怖い。
思いのほか面白かったけど、一番気持ちが落ち込んだなぁ。磯良もある意味では悲劇的で可哀相だけど、何より千尋が…。

そういう意味で、ホラーっていうホラーじゃないけど怖かったです。
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コメント


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ISOLAを基にしたガンダムホラーに感服してね

はじめまして、かごめ改め春菜です。
それにしても、このISOLAの独特の世界観はベストですね。
エンパスと多重人格少女の心の交流とか。
それで思ったんですけど、私がガンダムホラーに投稿しようとして失敗した空想、ここに載せときますけど、その多重人格少女、千尋ちゃんの設定が
「戦争で両親を失い、その仇討ちのために超人機関に入った超兵の女の子」
ということなんです。
物語は「キュリオスのマイスターであるアレルヤは、超人機関の非人道的な実験により、心の中に自らのダークサイドの凝縮でもある人格ハレルヤを宿していた。
あるミッションからの帰途、アレルヤは人類革新連盟所属の小さな救命ポッドを拾い、それをプトレマイオスに搬送する。その救命ポッドから出てきた少女、千尋は何故両親に合わせてくれなかったのかとアレルヤを問い詰める。
千尋が自分と同じ超兵だということ、彼女の中に複数の人格が同居していることを知ったアレルヤは、自分と同じようなものを感じる。
アレルヤは彼女を救うため、他のマイスターやヴェーダには内緒で
同じく救命ポッドに入っていた超人機関の臨床心理士、浩子の協力を得て、千尋の人格の統合に尽力しようとするが、
やがて超人機関からの探索コールを千尋が受け取り、アレルヤはキュリオスで千尋と浩子を超人機関に送り届ける。
しかし、彼が他のマイスターとミッションを遂行している間に千尋の中の13番目の人格「ISOLA」が活性化。
自由に体外離脱し、
千尋に危害を加える他の被験体を常人にはまねできないやり方で惨殺していく。
そしてそれに呼応するかのようにアレルヤの中のハレルヤも暴走し、
プトレマイオスをも巻き込む恐怖の扉が開かれる…。」
という風なんですが、題名が「ISOLA  VS HALLELUJAH」です。
でも、ちょっと残念でしたね。

春菜 | URL | 2010年03月30日(Tue)20:34 [EDIT]


 

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